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「売掛金の支払期日はまだ先だけど、今すぐに現金が必要だ」
そんなシーンで活躍してくれるのがファクタリングというサービスです。
日本ではまだあまり馴染みがないですが、欧米では主流に使われています。
ファクタリングには様々なメリットも存在しますが、同時にデメリットも存在します。
本記事でははファクタリングのメリットとデメリットを詳しく解説していきたいと思います。
ファクタリングがそもそも良く分からないという方は下記記事を参照ください。
ファクタリングは商取引で発生した売掛債権をファクタリング会社に売却し、取引先(売掛先)からの支払いより前に売掛債権を現金化するサービスです。
ファクタリングは融資ではなく債権の売買取引なので、返済がありません。負債を抱えることはないので、現金化した後の資金繰りを圧迫することがありません。
ただし気を付けて頂きたいのは、ファクタリングの資金繰り改善機能は、今後の売上増加や利益増加の為のポジティブな支払いに充てていくことで、将来の資金繰りを徐々に改善していけるというものです。
家賃などの固定費に充ててしまうと、利益が増加する見込みがない為、資金繰りはさらに厳しくなります。
したがって、ファクタリングは売上が上がっているにも関わらず、手元の資金が不足している場合に利用すべきサービスといえます。
資金の使途はしっかり見極めるようにしてください。
ファクタリングは仮審査から現金化完了までがスピーディーで、早ければ即日現金化が可能なサービスです。
融資の場合、普通の手形貸付や証書貸付の場合は審査に1、2週間かかるので、急な資金需要に対応することが難しいです。
一方で、ファクタリングの場合は審査が緩く、売掛債権の信用度に問題がなければその日のうちに審査が完了します。
ファクタリングは融資と比べると圧倒的に審査が緩いです。
理由としては、融資は貴方の会社に対しての信用情報を重視するのに対し、ファクタリングは取引先(売掛先)企業の信用情報を重視するからです。
ファクタリング会社にとって一番重要な事は「買い取った売掛債権が支払い期日までにちゃんと支払われる事」なので、たとえ申込企業が赤字や債務超過であっても、売掛先企業が大企業や信用力のある先であれば、好条件で買い取ってもらえる可能性が高いです。
ただし、申込企業に税金の滞納や社会保険料の滞納があった場合は、審査通過が難しくなる場合が多いです。
これは商品性によるものなのですが、2社間ファクタリングの場合、ファクタリング会社が買い取った債権が決済された時、資金は一旦申込企業の口座に振り込まれ、そこから遅滞なくファクタリング会社に送金することで取引が完了します。
しかし、売掛先企業から送金があった時点で申込企業が倒産してしまっていた場合、税金の滞納等があれば優先して資金が充当されます。ファクタリング会社にとっては、税金の滞納等があることで、回収できる資金を受け取ることができなくなります。
したがって、ファクタリング会社はなるべくリスクを避けて契約したいという意図があるため、納税証明書等の提出を求めてきます。
融資よりは審査が緩い理由は、申込企業の信用情報を最重要としていないからです。ただし、申込企業の状況によっては、断られるケースもあるということを覚えておきましょう。
ファクタリングの契約において、担保や保証は不要です。
融資の場合、不動産担保や経営者保証を求めてくる場合がほとんどですが、担保評価が出なかったり、そもそも資産を持っていなかったりして融資の審査に通らないなんてことも起こり得ます。
しかし、ファクタリングの場合、担保や保証を要求することはありません。
なぜなら、ファクタリングは売掛債権の売買取引、簡単に言うと「代金を後払いで受け取る権利(=売掛債権)を支払い期日前に買い取るサービス」の為、売掛債権がそもそも担保のようなものだからです。
担保や保証を差し入れられない中小企業、零細企業にとっては、ファクタリングは有効な資金調達方法といえるでしょう。
ファクタリング会社に債権を譲渡するということは、債権の回収不能リスクもファクタリング会社に移行するということになります。
売掛先企業が倒産して支払い不能に陥った場合、債権者である企業は自ら回収業務にあたらなければいけませんが、その前にファクタリング会社にその債権を売却していた場合は、ファクタリング会社が回収業務を行います。
倒産企業の代わりにファクタリング会社に代金を支払わなければいけない、ということもありません。
つまり、ファクタリングを利用することで、債権の回収不能リスクを完全に排除できるのです。
融資で資金を調達した場合、決算書には有利子負債として計上されます。その場合、負債項目が増加するため財務状況の圧迫につながります。
その点、ファクタリングは決算書上に表記されることはなく、BS上も売掛債権科目から現金科目への移行なので、財務状況に大きな影響を与えることはありません。
また、2社間ファクタリングの場合は申込企業とファクタリング会社の間での契約なので、取引先に知られることはありません。
3社間ファクタリングよりも手数料は高くなりますが、外部に知られずに資金調達ができるのは大きなメリットといえます。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いについての詳細は下記記事をご参照ください。
ファクタリングもサービスなので、当然手数料が発生します。
手数料は2社間ファクタリングで売掛債権の8~25%、3社間ファクタリングで2~8%ほどの金額が手数料として発生します。
分かりやすく例えると、数か月後に支払われる100万円の売掛債権が90万円で買い取られ(手数料10%)、すぐにその90万円が現金として手に入るというようなイメージです。
したがって、本来の売掛金よりも得れる金額は少なくなってしまいますので、計画的な利用をする必要があります。
前述した通り、ファクタリングは売掛債権を買い取るというサービスなので、売掛債権以上の資金調達はできません。
売掛債権以上の金額を資金調達したい場合は融資を受ける必要があります。
2社間ファクタリングを利用した場合、取引先(売掛先)からの代金支払いが完了したら速やかにファクタリング会社にその代金を支払う必要があります。
その際に「まだ資金繰りが厳しいので分割払いしたい!」と考える方もいるかもしれませんが、ファクタリング会社は基本的に分割払いを認めていません。
理由としては、分割払いを認めてしまうと金利が発生した事と同義になってしまうため、ファクタリング会社が貸金業法に接触してしまう可能性があるからです。
分割払いを認めたり、逆に分割払いを進めてくるような業者は闇金業者の可能性もありますので、十分警戒した方が良いでしょう。
ファクタリングのメリットは下記の通りです。
ファクタリングのデメリットは下記の通りです。
ファクタリングはまだ日本では浸透していない資金調達方法ですが、経済産業省も推奨している立派な資金調達方法なのです。ファクタリングを上手く利用することで、連鎖倒産などを防ぐこともできますし、資金繰り改善も期待できます。
経営をよりよくしていくためにファクタリングを利用していきましょう。
ファクタリング会社での勤務経験を持つライターが、公式HP、直接取材、金融庁、法務省のHP等信頼できる情報ソースを元に、資金調達に強い宮城彩奈行政書士(行政書士さい事務所)の監修を受けた上で分かりやすく執筆しています。
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